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襖職人の大きめの独り言

目次

  1. 襖の基本と歴史
  2. 構造と素材
  3. 機能と役割
  4. 現代の課題と業界動向
  5. 今後の展望

1. 襖の基本と歴史

襖(ふすま)は、木の枠に紙や布を貼って作る日本伝統の「間仕切り建具」です。部屋を仕切ったり、空間の雰囲気を変えたりと、実用性と美観を兼ね備えた存在です。

もともと襖は「襖障子(ふすましょうじ)」と呼ばれ、障子と同じルーツを持つとされます。平安時代にはすでに、部屋の仕切りとして「襖障子」という言葉が文献に登場しています。

奈良~平安期には、中国から伝わった屏風や帳(とばり)が原型になり、やがて可動式の引き戸として発展しました。絵巻にも、平安貴族が襖の向こうで文を書いたり、音楽を奏でる様子が描かれています。

室町時代には書院造の広がりとともに「襖絵(ふすまえ)」が生まれました。狩野永徳などの絵師が描いた金碧障壁画(きんぺきしょうへきが)は、襖という日用品を芸術の域にまで高めた代表例です。

「襖絵は、空間を仕切るだけでなく“場の物語”を生む装置であった」(『NHK美の壺』より)


2. 構造と素材

襖の基本構造は、木枠(縦横の桟)に下地紙を数枚貼り重ね、その上に「襖紙(ふすまし)」を仕上げとして貼るもの。縁(ふち)は杉や桧などの木材を使い、引手(取っ手)部分には真鍮や陶器、木製などの素材が使われます。

襖紙は、和紙のほか織物調・樹脂加工タイプなど多様化しており、現代ではインクジェット印刷を用いたオリジナル柄の制作も可能です。京都や金沢では伝統的な金銀砂子(すなご)細工を施す高級襖紙も作られています。

また、襖には以下のような種類があります。

  • 両面張り襖:両面に紙を貼る標準的なタイプ。
  • 片面張り襖:裏側が板や布地で軽量なタイプ。
  • 装飾襖:絵画や金箔などをあしらった格式高いもの。

こうした「素材と構造の美」は、建具職人の腕がもっとも表れる部分です。


3. 機能と役割

襖は単なる間仕切りではなく、住空間の「呼吸」を整える装置でもあります。紙と木という天然素材の組み合わせは、湿度を調節し、風通しを保つ。これが日本建築の快適さを支える大きな要因です。

また、障子とは異なり光を通さないため、視覚的なプライバシーを確保できます。和室での寝室利用や来客対応の場で、襖を閉めるだけで空気が一変する——それが襖の“情緒”です。

断熱性や防音性も一定あり、現代住宅でも「やわらかい遮音材」として再評価されています。

「和紙の重ね構造は、空気層を生む天然の断熱材」(建築士会・住宅文化研究会)

そしてもう一つの大きな役割が「装飾性」。襖紙の柄や絵は、部屋全体の印象を決めるアートの一部です。茶室や旅館では、季節や用途に合わせて張り替えることで、空間そのものの表情を変えてきました。


4. 現代の課題と業界動向

現代日本では、洋室化・マンション化の進展により、和室そのものが減少しています。住宅メーカー調査によると、新築住宅で「和室を設ける割合」は20年前の約70%から現在では30%未満に減少しています(ハリマ産業調べ)。

その影響を受け、襖の市場も縮小傾向です。老舗の襖メーカーや紙加工業者の廃業も相次ぎ、後継者不足が顕在化しています。

しかし一方で、デジタル技術の導入やデザイン刷新による再生も進んでいます。大阪の「谷元フスマ工飾」では、オンライン注文で現代柄の襖紙を提供し、若年層から人気を得ています(BizHint報道)。

さらに、伝統工芸としての襖絵保存活動も続いています。文化庁が支援する「ふすまアーカイブプロジェクト」では、国宝・重要文化財級の襖絵を高精細デジタル化し、後世に残す取り組みが進められています。

また、海外でも襖は注目されており、パリのインテリア展示会「メゾン・エ・オブジェ」では、日本の襖紙メーカーが出展し、自然素材の美しさが高評価を得ています。


5. 今後の展望

襖の未来は、「伝統」と「革新」の両立にあります。
現代の住空間に合わせた“新しい襖”の提案が各地で始まっています。

たとえば、

  • 洋室にも合うモダン柄襖紙
  • 防音性を高めた軽量襖
  • LED照明を組み込んだデザイン襖
  • 写真やアートを印刷できるパーソナル襖

といった製品が登場しています。

こうした動きは、単なる「和の復権」ではなく、襖を現代アートやサステナブル建材として再定義する挑戦でもあります。

「襖は閉じるためのものではなく、世界を切り替えるための扉」(建築家 隈研吾)

襖は、静かな日本の呼吸を今に伝える“文化装置”です。
職人の手で、紙一枚の中に季節と物語を閉じ込める。その美しさを、次の世代にどう残すか——今まさに問われています。

当店の特徴

その1・夫婦で貼替え職人をしています

その2・ご反響の電話には栗田洋子がでます、安心してご連絡くださませ

その3・見積もりには必ず栗田が伺います

その4・(社)茨城県南職人協会の理事であり工事の健全化に努めています

商材紹介

襖張替え

障子張り替え

網戸張替え

畳の表替え

保有資格

・宅地建物取引主任士

・ファイナンシャルプランナー

・証券外務員

・感染対策アドバイザー

・高所作業車操縦免許

※お客様の声というコンテンツについて弊店の思い

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マルチーズとプードルのMIX犬(マルプー)を飼っています。名前は看板犬ワーロン!工房奥の部屋でいつも暇そうにしていますのでお気軽にお立ち寄りくださいませ。

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