中桟のない網戸|反りによる隙間を防ぐ
「中桟がない網戸って、どうやってピンと張るの?」
「張ったあとに、建物との間にすき間ができた…」
そんな相談を、現場でよく受けます。
見た目がスッキリして人気の“中桟なし網戸”ですが、実は構造的にとてもデリケート。
今回は、プロが治具を使って反りを防ぎながら張る方法を、動画付きで紹介します。

一条工務店やセキスイに多い中桟なしの網戸。本日もセキスイ物件からのご依頼でした
1. 中桟なし網戸の特徴と弱点
通常の網戸には、中央に「中桟(なかざん)」という補強バーがあります。
これは見た目こそ地味ですが、フレーム全体のゆがみを抑え、網の張力を分散する大切なパーツです。
一方で、中桟のないタイプは視界が広く、デザイン的には非常にスマート。
ただしその反面——
網の張力によってアルミ本体が反ってしまい、建物との間にすき間ができる
という現象が起こりやすくなります。
この「フレームの反り」が起こると、
- 網戸を閉めてもピッタリ合わない
- 隙間から虫が侵入する
- スライド動作が重くなる
といったトラブルの原因になります。
2. 反りを防ぐためのプロの工夫「治具」
中桟がないタイプでは、張力をどう均等にかけるかがポイント。
職人はそこで、専用の「治具(じぐ)」を使います。
この治具は、網を張るときに仮の中桟としてフレームを支える役割を果たします。
動画では、実際にアルミ枠の中央を軽く押さえながら、均等にテンションを配分する様子を確認できます。
▶ 治具の基本構造
- 上下フレームにクランプで固定
- バーで中央部を支え、張力でアルミが反るのを防止
- 網を張る方向を安定させるためのガイドにもなる
この一手間で、仕上がりの「平面性」がまるで違います。
3. 張り方の手順(中桟なし専用)
Step1:古い網とゴムを外す
- 網押さえゴムを外して、古い網を取り除きます。
- 溝に詰まったゴミやホコリはブラシで清掃。
Step2:新しい網を仮置き
- 網を軽く乗せ、上部をマスキングテープで固定。
- この段階ではまだテンションをかけません。
Step3:治具で中央を固定
- 治具をセットし、中央部をまっすぐに保持。
- この「仮の支え」が中桟の代わりになります。
Step4:押さえゴムをローラーで入れる
- 中央から左右交互にローラーで押し込みます。
- 片側を強く引きすぎると反りの原因になるので注意。
Step5:縦方向も同様に処理
- 下側を張るときは、上の張りに引っ張られないようバランスを確認。
- 張力が左右・上下で均等になるように意識します。
Step6:余分な網をカット
- カッターでゴム外周ギリギリを切り落とし、全体を確認。
- 仕上げに「治具を外しても平面が維持できているか」をチェック。
4. 張力とフレームの関係
中桟がない網戸では、張りすぎもNG・ゆるすぎもNG。
アルミ枠の剛性が弱いため、強く引くとフレーム全体が「弓なり」に反ってしまいます。
職人の感覚としては——
- 触って軽く“パン”と音がする程度
- ゴムを入れたときに、中央がわずかに沈むくらい
このくらいが最適な張り具合です。
動画内でも、実際に反りが出ないテンション感を紹介しています。
5. DIYでやるなら「仮桟」を作ろう
家庭でDIYする場合、治具がなくても木材などで“仮中桟”を作る方法があります。
- 網戸の中央に細い棒をテープで固定
- それを基準に網を張る
だけでも、反り防止効果があります。
ただし、網の種類や気温によって伸縮が変わるため、一度で完璧に仕上げるのは難しいです。
6. まとめ:中桟なし網戸は「見た目+精度」で勝負
中桟なしの網戸は、スッキリとしたデザイン性が魅力。
ただし、**構造上の弱点である「反り」と「隙間」**を理解して施工することが大切です。
網の張力でアルミ本体が沿ってしまい、建物との隙間ができるのを防止するには、
治具による仮固定とテンションの均一化が欠かせません。最後に2M程度の定規を当てて、アルミ本体に極端な反りが出ていないかを確認します。反りは1MM以下に収めるのを当社では基準としています

当店の特徴
その1・夫婦で貼替え職人をしています
その2・ご反響の電話には栗田洋子がでます、安心してご連絡くださませ
その3・見積もりには必ず栗田が伺います
その4・(社)茨城県南職人協会の理事であり工事の健全化に努めています
商材紹介
・襖張替え
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当店ではHPに【お客様の声】というページを作っていません。その理由とは
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