第3話|ワシ畳と京間サイズ ― 大型畳はなぜ高くなるのか
畳は規格品でありながら、実際は一枚一枚が寸法違いの特注品である。特に京間(きょうま)や大型畳になると、単なるサイズ差では済まない。
関東間(江戸間)は約880×1760mm。
京間は約955×1910mm。
面積差は約20%近い。
面積が増えるということは、単純に材料が増えるだけではない。構造的負荷が変わる。
まず重量。藁床であれば1枚50kg近くになることもある。建材床でも増える。搬入経路のリスク、作業人数、腰への負担。すべてが増加する。
次に材料歩留まり。畳表は一定幅で織られているため、大型寸法ではロスが出やすい。縫製も負荷が増す。歪みが出れば張り直し。小さい誤差が目立つ。
さらに床構造との整合。古い京間住宅は柱芯寸法が現代住宅と異なる。寸法測定の精度が求められる。誤差数ミリが隙間や突き上げにつながる。
価格が×1.2になるのは合理的だ。
材料増、労務増、リスク増。三重の増加。
和紙畳(ワシ畳)もここで触れる。和紙素材は伸縮が少なく、寸法安定性が高い。大型畳ではこの安定性が利点になる。ただし価格は上がる。
大型畳は「見た目が立派」ではなく、「施工難易度が高い」商品だ。ここを理解せずに価格だけを比較すると、施工品質が落ちる。
畳は平面だが、建物は歪む。大きいほど影響を受ける。
だから大型畳は高い。
畳のお話 完結版

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