網戸・ふすま・障子【張り替えが無理。。】建具の新調を考える時期
網戸、ふすま、障子は、傷んできたら「張り替えれば元通りになる」と思われがちな建具です。
もちろん、網が破れた網戸なら網の張り替え、ふすま紙が汚れたならふすまの張り替え、障子紙が破れたなら障子の張り替えで十分なケースはたくさんあります。
しかし、建具を長く使っていると、傷んでいるのは表面だけではなくなってきます。
枠そのもののゆがみ、接合部の緩み、木部の劣化、戸車の摩耗、本体の反り。
こうした症状まで進んでいる場合、何度張り替えても使い勝手は良くなりません。
金沢屋 龍ケ崎店では、張り替えを前提に見るのではなく、
「この建具はまだ張り替えて使えるのか」
「そろそろ本体を新しくしたほうがいいのか」
というところから確認しています。
今回は、網戸・ふすま・障子について、新調を検討したほうがよい症状を職人の立場からご紹介します。
建具の「張り替え」と「新調」は別の工事です
まず知っていただきたいのが、張り替えと新調の違いです。
張り替えとは、今ある建具本体をそのまま利用し、
- 網戸なら網
- ふすまならふすま紙
- 障子なら障子紙
を交換する工事です。
一方、新調とは、建具本体そのものを新しく製作・交換することです。
例えば、ふすまの枠がグラグラしている状態で、表面のふすま紙だけを新品にしても、枠のグラつきは直りません。
網戸も同じです。
網をきれいに張り替えても、本体がねじれていたり、四隅の接合部分が緩んでいたりすれば、網戸そのもののガタつきは残ります。
つまり、
表面材の劣化=張り替え
本体の劣化=新調を検討
という考え方が基本になります。
特に10年、15年、20年と使われている建具では、張り替えだけを見るのではなく、本体の状態まで一度確認することをおすすめします。
1.グラグラする網戸は「網」ではなく「本体」が原因かもしれません
網戸で非常に多いのが、
「網が古くなったから張り替えてほしい」
というご相談です。
もちろん網だけが劣化している場合は、通常の張り替えで問題ありません。
しかし、網戸を触ったときに、
- 枠全体がグラグラする
- 四隅が動く
- 網戸が斜めになっている
- 開け閉めすると引っ掛かる
- サッシから外れやすい
- 戸車を調整しても動きが悪い
といった症状がある場合は、網ではなく網戸本体の劣化を疑います。
アルミ製の網戸でも、長年使えば接合部分が緩んだり、枠が変形したりします。
一度大きくゆがんだ網戸は、網を張ることで多少形が整うことはあっても、本来の強度まで戻るわけではありません。
むしろ、弱った枠に強く網を張ることで、さらに変形してしまう場合もあります。
網戸は家ごとに寸法が違います
新しい網戸は、ホームセンターで適当なサイズを買えばよいと思われることもあります。
しかし実際には、住宅ごと、窓ごとに寸法が違います。
高さと幅だけでなく、
- サッシの溝
- 戸車の位置
- 網戸レール
- 建物側のゆがみ
- 窓枠のクセ
などを見ながら合わせる必要があります。
長年使われた住宅の場合、建物側にもわずかな傾きやゆがみが出ていることがあります。
そのため当店では、既製品の寸法だけで判断せず、現在のサッシを実際に確認して網戸を製作します。
15〜20年以上使用していて、本体までグラグラしている網戸であれば、一度「張り替え」と「新調」の両方を比較してみてください。

2.ふすま枠がボロボロ、グラグラなら本体交換も選択肢です
ふすまも、表面の紙だけを見ていると本体の傷みに気づきにくい建具です。
特に古いふすまでは、
- 枠の角が欠けている
- 木部が割れている
- 枠が外れかけている
- 持つとグラグラする
- 下部が削れている
- 反りが大きい
- 開閉すると途中で引っ掛かる
といった症状が出ていることがあります。
ふすまは毎日のように開け閉めする建具です。
長期間使用すると、表面だけではなく内部の骨組みや枠にも負担が蓄積します。
この状態で紙だけを張り替えると、見た目はきれいになります。
しかし、本体の強度は変わりません。
例えば、枠の接合部が緩んでいるふすまは、張り替え後もグラグラしたままです。
さらに傷みが進めば、枠が外れたり、開閉しにくくなったりします。
「何度張り替えても調子が悪い」は新調のサイン
以前にもふすま紙を張り替えたのに、
「動きが悪い」
「すぐに枠が外れる」
「またガタガタしてきた」
という場合は、紙ではなく本体側に原因がある可能性があります。
こうしたふすまは、修理を何度も繰り返すより、新しく製作したほうが長期的には扱いやすいケースがあります。
また新調の場合、現在の住宅の寸法に合わせて製作します。
古い住宅では、柱や敷居が完全な直角とは限りません。
そのため、単純に古いふすまの縦横寸法を測って同じものを作ればよいわけではありません。
一軒一軒の建物のゆがみやクセを見ながら合わせる。
ここが建具新調の重要な部分です。

3.黒ずんだ障子・汚れを吸った障子は木部まで確認します
障子の場合、一番分かりやすい劣化は障子紙です。
破れ、黄ばみ、汚れであれば、通常は張り替えで対応できます。
ただし注意したいのが、障子本体の木部まで黒く変色している場合です。
特に下部は、湿気、結露、ホコリなどの影響を受けやすい場所です。
長年使用していると、障子紙だけではなく木部まで汚れを吸い込み、変色していることがあります。
また、
- 桟が折れている
- 木部が大きく反っている
- 接合部が緩んでいる
- 建付けが極端に悪い
- 開閉するたびに引っ掛かる
- 木部そのものが傷んでいる
という場合もあります。
障子紙を新品にすると、紙が白くなる分、逆に古くなった木部の変色が目立つこともあります。
もちろん、古い木の風合いとして残したい場合は張り替えでも構いません。
しかし、
「せっかく障子をきれいにするなら、本体まで一度きれいにしたい」
という場合は、新調も比較する価値があります。
特に長年使用してきた障子なら、今の建物に合わせて木製障子を新しく製作することで、見た目だけではなく開閉の改善につながる場合があります。

15年以上使った建具は、一度「新調」を比較してください
何年使えば必ず交換、という決まりはありません。
使い方や環境によって寿命は大きく変わります。
ただ、ひとつの目安として、15年以上使用している建具で、
- 何度張り替えても調子が悪い
- 開け閉めしにくい
- 枠がグラグラする
- 本体が反っている
- 枠そのものが傷んでいる
という症状があれば、本体新調も比較してよい時期だと考えています。
金沢屋 龍ケ崎店では、何でも新しくすることをおすすめしているわけではありません。
まだ使えるものなら、張り替えて使ったほうが経済的です。
反対に、本体が限界に近いものへ何度も張り替え費用をかけるのであれば、一度新調したほうが結果的に合理的な場合もあります。
「張り替えれば十分なのか、本体から交換したほうがいいのか」
ここを実物を見て判断することが大切です。
【おまけ】特殊な建具は、さらに「本体の状態」を確認してください
ここからは、一般的な木製障子やゴム押さえ式網戸とは少し違う、特殊な建具についてです。
当店で実際に相談を受けることがあるのが、
アルミ障子
と
プラスティックパッキン式の網戸
です。
この2種類は、一般的な建具とは少し構造が違うため、張り替えだけで考えないほうがよいケースがあります。
アルミ障子は接着面の状態が重要です
アルミ障子は、一見すると木製障子のように見えますが、本体はアルミ製です。
一般的な障子紙を澱粉糊で貼る場合、アルミへそのまま糊を付けても木材のようには接着できません。
そのため、障子紙を貼る部分には、糊が付くよう表面処理された仕様があります。
問題になるのが、この接着面の経年劣化です。
長期間使用したアルミ障子では、接着面のコーティングが剥がれたり弱くなったりして、通常の障子紙がうまく貼れないケースがあります。
紙の問題ではなく、本体側の接着面が劣化しているということです。
プラスチック障子紙など、両面テープで施工する商品であれば対応できる場合もあります。
しかし、
「障子紙を貼るための下地そのものが剥がれている」
ほど本体が経年しているのであれば、今後さらに別の部分が傷んでくる可能性も考える必要があります。
当店では、そのようなアルミ障子については、無理に張り替えを繰り返すだけではなく、木製障子への新調もひとつの選択肢としてご案内しています。
木製障子なら、将来的な障子紙の張り替えにも対応しやすく、建具屋が修理しながら長く使いやすいという利点があります。


プラスティックパッキン式網戸は張り替え費用も高くなります
一般的な網戸は、網を溝へ入れ、その上からゴムを押し込んで固定します。
ところが一部の網戸には、ゴムではなくプラスティック製のパッキンで網を固定するタイプがあります。
このタイプは通常の網戸とは施工方法が異なり、張り替えを受けていない業者もあります。
金沢屋 龍ケ崎店では張り替えにも対応していますが、施工の手間、副資材仕入れ価格が増えるため、通常のゴム式網戸より施工費が高くなります。
当店の2026年現在の施工費では、
ゴム押さえ 800円
に対して、
プラスティックパッキン 1,800円
となっています。
※網代・その他作業費等とは別に、仕様による施工費の違いのみを示したものです。
つまり、一度だけではなく、今後も網を張り替えるたびに特殊施工が必要になります。
簡易網戸は本体強度や寸法も確認します
プラスティックパッキン式の網戸にはホームセンターで購入できる簡易的な網戸になります。
こうした網戸で当店が実際に確認しているのが、
経年劣化が早く本体がグラグラしてきているという症状です。
網そのものは交換できても、本体の強度が落ちている場合、張り替えだけではガタつきまでは直りません。
さらに、後付けされた簡易網戸では、現在のサッシ内寸と網戸本体の寸法が十分に合っていないケースもあります。
その場合、
- 動かしにくい
- 外れやすい
- 隙間ができる
- ガタつく
といった症状につながります。
こうした網戸については、張り替え費用を何度もかけるより、一般的な押さえゴムで張り替えできる、しっかりした網戸本体へ新調することをおすすめする場合があります。
新しい網戸にすれば、次回から通常の網戸張り替えができるため、将来のメンテナンスもしやすくなります。

張り替えるか、新しくするか。実物を見て判断します
網戸、ふすま、障子は、壊れるまで使ってはいけないものではありません。
逆に、少し古くなったからといって、すぐ交換する必要もありません。
大切なのは、
「どこが傷んでいるのか」
を見ることです。
表面だけなら張り替え。
本体まで傷んでいるなら新調。
非常に単純ですが、建具の場合、この見極めが重要です。
金沢屋 龍ケ崎店では、
- 網戸
- ふすま
- 障子
- 畳
の張り替えだけでなく、建具本体の新調についてもご相談いただけます。
現在使っている建具を一枚ずつ確認し、
まだ張り替えで使えるのか。
修理したほうがいいのか。
新しく作ったほうがいいのか。
を見ながらご提案します。
「他店で張り替えを断られた」
「何度張り替えても調子が悪い」
「古い建具なので、そろそろ交換したほうがいいのか分からない」
そんな場合も、一度現物を見せてください。
一軒一軒の建物のゆがみやクセに合わせて、職人が確認します。
金沢屋 龍ケ崎店
TEL:080-4147-0244
網戸・ふすま・障子・畳の張り替え、新調のご相談を承ります。
