畳の配置換えはNG!「場所」と「向き」があります
「畳を掃除するために一度外したので、戻すときに場所を入れ替えてしまった」
「同じ大きさに見えるから、どこに戻しても同じだと思っていた」
畳を扱っていると、こうしたケースに出会うことがあります。
結論から言うと、畳は基本的に、勝手に場所や向きを変えないでください。
見た目は同じ長方形でも、一枚一枚まったく同じ寸法とは限りません。
畳はその部屋の形に合わせて作られているため、別の場所へ移動すると、
- 隙間ができる
- 畳の角が浮く
- 入らなくなる
- 周囲との高さが合わず段差が出る
といった不具合が起きることがあります。
今回は、なぜ畳の配置を変えてはいけないのか、畳職人の立場から分かりやすくご説明します。
和室はきれいな長方形とは限りません
一般的な6畳間を見ると、四角い部屋の中に長方形の畳がきれいに並んでいるように見えます。
しかし実際の住宅では、部屋が完全な直角・完全な長方形になっているとは限りません。
例えば、
壁がわずかに内側へ曲がっている。
左右の壁の位置が数ミリ違う。
柱や敷居にクセがある。
長年の経過で建物にわずかな歪みが出ている。
こうしたことは珍しくありません。
肉眼ではほとんど分からない差でも、畳を敷き込むと影響が出ます。
そのため畳職人は、部屋を単純に「縦○センチ・横○センチ」と測って終わりではなく、それぞれの辺の状態や角度を確認しながら、一枚ずつその場所に合わせて作ります。
つまり畳は、同じ部屋の中であっても、それぞれが「その場所専用」になっていることがあります。

畳には「場所」と「向き」があります
畳職人は施工するとき、どの畳をどこに入れるかを管理しています。
現場では「先」「元」「枕」「中」「川」など、その位置を区別するための呼び方を使うことがあります。
大切なのは名称を覚えることではありません。
ポイントは、
同じ6畳間の畳でも、一枚ずつ入る場所が決まっている
ということです。
さらに、同じ場所に戻したとしても、畳の向きを180度変えてしまうと合わなくなる場合があります。
「さっきまで入っていたのに、なぜか入らない」
ということが起きるのは、このためです。
配置を変えると「隙間」ができることがあります
畳を別の場所へ移動すると、本来ぴったり合っていた部分に隙間ができることがあります。
畳同士の間や壁際に隙間ができると、単に見た目が悪いだけではありません。
隙間の中に、
- ホコリ
- ゴミ
- 髪の毛
などが入り込みやすくなります。
環境によっては虫が入り込む原因になることも考えられます。
畳は敷き詰めたときに納まりが整うように作られているため、配置を変えることで、そのバランスが崩れてしまいます。
畳の「角が浮く」こともあります
別の位置に移した畳では、角がきれいに収まらず、少し持ち上がってしまうことがあります。
これも、畳の寸法と部屋側の形状が微妙に違うためです。
角が浮いた状態を放置すると、歩いたときにつまずく可能性があります。
また、浮いているからといって上から無理に押し込むのもおすすめしません。
畳本体や畳縁を傷めたり、周囲の畳との納まりをさらに悪くすることがあります。
「畳が入らない」からといって無理に押さない
配置を変えたあと、
「あと少しなのに入らない」
ということもあります。
この場合も、力任せに押し込まないでください。
もともと別の場所用に作られた畳であれば、その部分には寸法が合っていない可能性があります。
無理に押し込むことで、
畳が傷む
畳縁が変形する
床や周囲を傷める
といったことにつながる場合があります。
一度きれいに納まらなくなったら、無理をせず、元の配置を確認することが重要です。
配置換えによって「段差」が出る場合もあります
畳は横幅や長さだけではなく、高さや床側の状態も関係しています。
住宅によっては、床のわずかな違いや畳そのものの状態によって、それぞれの場所で微調整されていることがあります。
そのため場所を変えると、隣の畳との高さが揃わず、段差ができることがあります。
数ミリ程度でも、足先が引っ掛かると危険です。
特に高齢の方が生活する住宅では、小さな段差でも転倒の原因になり得るため注意が必要です。
畳を外して掃除するときは「印」と「写真」を
畳の下を掃除したい、床の状態を確認したいなど、ご自身で畳を外すこともあると思います。
その場合は、外す前に必ず元の場所と向きが分かるようにしておくことをおすすめします。
簡単なのは、スマートフォンで写真を撮る方法です。
畳全体の配置を撮影してから、一枚ずつ外してください。
必要であれば、裏側に元の位置が分かるような印を付けておく方法もあります。
戻すときに、
「これ、どこだったかな?」
となってからでは判断が難しくなります。
写真を一枚撮っておくだけでも、かなり違います。
分からなくなった場合は無理に押し込まないでください
すでに畳を全部外してしまい、配置が分からなくなった場合。
適当に並べて、力で押し込むのは避けてください。
何度も入れたり外したりしているうちに、畳を傷めてしまう可能性があります。
こうした場合は、畳職人に相談していただければ、寸法や形状、納まりを確認しながら配置を戻せる場合があります。
畳は「同じ大きさの板」ではありません
畳は、工場で同じ寸法のものを大量生産して、どこにでも敷いているわけではありません。
特に既存住宅では、その家、その部屋、その場所の形に合わせて調整されている建材です。
だからこそ、張り替えのときも単純に畳表だけを見るのではなく、畳本体の状態、部屋の形、床の状態まで確認することが大切です。
私たち職人夫婦 金沢屋では、畳の表替え・新調だけでなく、
「畳を外したら戻らなくなった」
「隙間ができている」
「畳が浮いている」
「一部だけ段差がある」
といったご相談も承っています。
畳を外す場合は、場所と向きを変えない。
そして、分からなくなったら無理に押し込まない。
大切な畳と住まいを傷めないためにも、ぜひ覚えておいてください。













当店の特徴
その1・夫婦で貼替え職人をしています
その2・ご反響の電話には栗田洋子がでます、安心してご連絡くださませ
その3・見積もりには必ず栗田が伺います
その4・(社)茨城県南職人協会の理事であり工事の健全化に努めています
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・襖張替え
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